▼いざ工場へ!~バリアフリーカレンダー誕生秘話~
東京都新宿区神楽坂の街中に真美堂の工場はあります。

路地を曲がると見えてくる味わい深い青の看板が工場の目印。早速おじゃまします。

———本日はどうぞ宜しくお願いします。
手塚さん:代表を務める手塚博雄です。こちらこそ宜しくお願いします。(名刺を出しながら)

まるでバリアフリーカレンダーを彷彿させるかのような斬新なデザインの名刺…!“箔押所”の名前はだてではありません。

———早速なのですが、一体どのような経緯で現在の『バリアフリーカレンダー2020』は世に送り出されることとなったのですか?
手塚さん: 当社では平成11年から点字印刷も取り扱い始めたのですが、もっともっと健常者の方にも点字や視覚障がいを持つ方の気持ちに寄り添ってほしい、そんな思いで敢えて“デザイン性”にこだわり白い紙にエンボス加工をほどこしたカレンダーを作ろうと決めました。アートディレクターの関宙明(せきひろあき)さんの力を借りたのもその理由からです。

▼白地タイプとカラータイプの二種類から選ぶことが可能。カラーの淡い色合いも素敵…!
エンボス加工、つまり文字の高さを整えたり、文字の間隔や形式を徹底的にこだわったり、50種類もの紙を試して触り心地を追及したりと、本当に数えきれないほどの試作を重ねてきたのだとか。

▼製作工程大公開!
手塚さんのお話で理解を深めた後は、バリアフリーカレンダーの製作過程を実際に見せてもらいましょう。Let`s工場見学!

こちらがまだ印刷しかされていない最初の状態のカレンダー。この時点では点字などのエンボス加工は無く、表面もツルツルしていています。

このまっ平らなカレンダーが雌型の版を用いて機械でプレスされることで数字が浮き上がる仕組みです。

プレス位置がほんの少しでもずれたら失敗。最難関工程のひとつです。

中を覗くと、このプレス機にも版が取り付けられているのがわかります。

そして最後に位置の微調整を施したら、、、

プレス!!!

無事に成功です!手塚さんも嬉しそう…!!

この版で白地のカレンダーも同じように作成できます。改めてどちらも素敵!
おまけ
そしてなんと、最後には真美堂の箔押しの技術を活用したお土産までいただきました…!

この一見何だかわからないフィルムのロールが、、、

華麗な鳥に!!!
本当に心温かい嬉しいプレゼント。もうこの鳥は孫の代まで我が家でお世話します。
▼まとめ!

ここまで読んで下さった皆さんはもうお分かりかと思いますが、このバリアフリーカレンダーの製造工程は本当にものすごく大変。
工程ごとに何度も厳密に検品を繰り返し、最終的には当初の半分くらいしか商品としては出せないのだとか。
それでもなお色褪せることのないモノづくりへの誇りと、多くの人にこの現状を伝えたいという強い気持ち。
~視覚に障害を持つ方と、晴眼者との真の意味での共生を目指したい~
そんな思いを元に生まれたこの『バリアフリーカレンダー』は、“社会に良い”だけでなく純粋に心から“欲しい”と思えるものでした。(実際にこの後詳細を知らない社内のメンバーも欲しがっていました…!)
それはまるで我々BuyCottが目指してゆきたい未来のカタチをそっくりそのまま体現しているかのよう。
助けられる側と助ける側を良い意味で区切らない新しいかたち
皆さんもこの『バリアフリーカレンダー』をきっかけにそんな未来の社会を考えてみてはいかがですか?

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- writer 桶の旅人
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(2019.12.11)












